アピール
これは日本の企業でもある程度言えることですが、外資ではそれがさらに顕著になってくることです。それは、いくら真面目にこつこつやっていても上に向けて「適切な」アピールが無いと評価がついてこないという傾向です。
- 勘違いをされては困るのですが、これはアピールさえしとけば実務はいいかげんで良いということではありません。アピールのためのスタンドプレーや仲間の信頼を損なうようなことをしても良いということでもありません。そしてそういう人も実際います。しかしそういう人を非難する必要はありません。他人は他人です。
- 仮にこういう社員がいたとしましょう: とても真面目でこつこつと日常の業務をそこそここなしています。結構掘り下げた取り組みも惜しまないため、他の社員よりもオーバータイムも多いようです。ただその人はあまり上を見て仕事をするタイプでなく純粋に自分の業務だけを見つめて仕事をしています。
- そのせいか、いざmanagementへのレポートや全体会議でのレポートなどせっかく実績をアピールできる機会でのパフォーマンスにはそれほど力が入っていないようです。何も資料を用意していなかったり、頭の中を報告用に整理していなかったり。そして上をあまり見ていないため、まれにmanagementが望んでいる優先順位と自分のやっていることの優先順位がずれてしまっていることもあるようです。
- さて、彼は上からどういう評価を受けるのでしょう。残念ながら自分の本来の実績通りの評価を人事評定で受けることは難しいことが多くなると思います。この傾向はmanagement陣が外国人であることの多い外資ではとても顕著になってきます。
- 一つの原因は言葉の違いです。オフィスでの日本人社員の日常の働きぶりを日本語の分からないmanagementが適切に把握するのはとても難しいことなのです。自分が日本以外の国で現地社員のスタッフを抱えて仕事をすることを想像してみれば分かります。いくらある社員がとてもいい仕事をしていても何らかの形でそれがあなたに知らされなければ、あなたはその人の評価を適切にすることができない、それどころが評価は下がりがちになるのではないでしょうか?
- 評価のためのアピールなんて!とそれを嫌う向きもあるでしょう。私もよくその気持ちは分かります。ただ、アピールするということを意識すると、managementがあなたに何を求めているか、すなわちcorporateがあなたに何を求めているのかということをよ〜く考えることになります。
- そんなことを意識しておくことも大事なことだと思います。そしてアピールすということはoutputのスキルがとても大事になってくる、ということです。